アフリカの空の飛び方
アフリカ、南大西洋を突っ切ってブラジルのサンパウロまでお仕事
基本的に南米やアフリカのフライトを積極的にリクエストしないので、めったにアフリカ上空なんて飛ぶ機会の無い私はちょっとワクワク気分でした。
アフリカの一部の空では未だにVHF(超短波無線)の地上施設が無いために、HF(短波無線)を使用しますがVHFの届く範囲でも音質がかなり悪いので管制官の指示やこちらの意図が通じにくかったりします。
それを補うために、VHFを使って一方送信で他の航空機に対して一方的に自分の高度、位置、進路を通報します。
詳しくはこちら → IATA In-flight Broadcast Procedure
私が乗務している飛行機にはVHF無線機が3台、HF無線機が2台搭載されているのですが、アフリカを飛ぶ際にはそれぞれ
VHF1 管制周波数(管制官との交信用)
VHF2 緊急周波数(緊急通報用)
VHF3 航空機間周波数(位置通報用)
HF1 管制周波数(管制官との交信用)
HF2 第2管制周波数(バックアップ)
というふうに周波数をセットします。
この設定自体は太平洋や大西洋を飛ぶ時と変わり無いのですが、アフリカ上空を飛ぶ時は
10〜20分毎に位置通報
その間に(音質の悪い)VHF、HFを使って管制官との交信
とコックピットの中は大忙し。
ということでバタバタしながらあっという間の、アフリカ大陸横断でしたが
天気が良くサバンナを眺めながらコックピットで食事ができて最高のフライトでした。
到着後はクルーそろってブラジル料理のお店に、、、シュラスコにカイピリーニャで乾杯!
満腹になるまで肉を食べて、ほろよい気分で就寝しました。
余談ですが、、、、
GPSを使うことによって航法精度が上がっているからアフリカ大陸上空では衝突防止のため、わざと航空路を右に1マイル、2マイルずらして飛んだりするのですが、これって本末転倒な気がするのは私だけでしょうか???