FLIGHT LOGBOOK

パイロットの日記

          最近の出来事

          2018.02.07 初めてのパタヤ

          2017.12.30 初めてのベルリン

          2017.06.05 B777資格再取得




離脱経路

中国や東アジアへのフライトの際に、ヒマラヤ山脈上空をよく飛ぶことがあります。

皆様御存知の通り、世界最高峰のエベレストを始めK2といった標高8000m超の山々が2400kmにも連なっている山脈です。


飛行機で空を飛んでいると、例えば

今、エンジンが一つ停止した場合、どの程度まで高度を下げてどこの空港に向かおう

とか

今、急患が発生した場合、医療施設の整っている最も近い飛行場は何処だろう?

とか

今、急減圧が発生した場合、どの程度まで高度を下げてどこに向かおう

とか常に考えています。


ヒマラヤ山脈を飛ぶ場合、標高が高いので高度を下げると山に接近してしまいます。 

よってエンジンが停止したり急減圧が発生した場合が一番シビアな状況です。

特に急減圧が発生した場合、酸素が十分な高度(通常3000m)まで高度を下げなければならないのですが、標高が8000mあると当然そこまで下げることができず、急減圧が発生した場合に自動的に天井から落ちてくる黄色いマスクから吸うことができる酸素量を考慮しつつ、飛行経路を変更し標高の低い山々に沿って、段階的に高度を下げていくことになります。


我社の場合、こういった高い標高の地域を飛ぶ場合「Escape Route」というものが社内規程で厳密に定められており、緊急事態が発生した場合の飛行機の性能を考慮して万が一の場合でも安全に高い標高の地域から離脱できるようになっています。




少し話が専門的になってしまいましたが、結論は「ヒマラヤ山脈を飛ぶ時でも飛行機は安全です」ってことでした。



毎回、ヒマラヤを飛ぶと自分が低い高度を飛んでるんじゃないか?ってくらい錯覚に陥りますが、実際は周りの山々が高いんですよね。。。