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ニューヨークからの帰り道
北大西洋に入ったあたりで、ETOPS(過去記事参照)の代替飛行場になっていた空港(サンタマリア諸島)の天候が予報より悪くなり、代替飛行場として指定できない状況になってしまいました。
まずは滑走路長、空港の消防能力そして運用時間を考慮し、代替飛行場になり得る空港を探して気象情報を取得。
結局、サンタマリア近辺の空港は軒並み天候不良で、飛行経路上付近にある北米最東端空港(グースベイ)からヨーロッパ最西端空港(リスボン)まで洋上に着陸できる空港が無い状況でした。
ということで、ここでETOPSの飛行計画を再計算し直さなければなりません。
とりえず他力本願ですが、データリンクで会社のオペレーションに再計算してくれってメッセージを送り、
と同時にコックピットの中で副操縦士と一緒にチャートを広げ、
フライトバッグから定規と電卓を取り出し、
上層風のデータから風向風速を計算し、飛行機のパフォーマンスから180分以内にそれらの空港に到達するか、
そしてグースベイとリスボンへ向かう等時間となるポイント(ETP=Equal Time Point)を算出
まさか最新鋭の飛行機に乗って、学生時代に航法の授業でやった基礎計算をすることになるとは思いもしませんでした。
15分くらいして計算結果がでてチャートにETPを記入した頃に会社からコンピュータによる計算結果が送られて来たので我々の計算結果と照らし合わせました。
結果は
ヽ(^。^)ノ
たまにはこうやって基本に立ち返り、頭をつかうのも良いものです。