FLIGHT LOGBOOK

パイロットの日記

          最近の出来事

          2021.10.05 初めてのセーシェル

          2020.02.05 初めてのマイアミ

          2020.12.21 初めてのカトマンズ

          2020.04.13 初めてのアテネ

          2020.02.15 初めてのロンドン・ガトウィック

          2019.07.01 初めてのマラガ

          2017.06.05 B777資格再取得




Company Minimum

たまにですが、友人や知人がこんな話をします、

「この前、成田空港までA航空を使って行ったんだけど、風が強くてさ〜着陸できなくて出発地までまた戻って来たんだよ。その後ろを飛んでいたB航空は着陸してたから、きっとB航空のパイロットの方が腕がいいんだね〜!これからはB航空を使うようにするよ。」


実際の運航環境が分からないと、乗客としてそういった印象を受けると思いますが、大きな誤解があります。

着陸又は離陸できるかどうかの最低気象条件には種類があり

空港施設

社内規定

乗員資格

のうち、もっとも厳しくないもの(高い数値)が適用されます。

例えば視程50mまで悪くなっても着陸できる精密進入の施設が空港に接地されていても、航空会社が国によって認可を受けている最低視程が300mで、パイロットの資格が視程550mまでしか着陸できない状況で、もし視程が550m未満になってしまったらその飛行機は着陸進入することができません。

横風の制限についても同様で

例えばA社の規定では突風成分は考慮せず、恒常風のみ制限範囲内に入っていれば離着陸できますが、
B社の規定では恒常風に(突風ー恒常風)÷2を足したものが制限範囲に入っていなければならないとか、、、
この場合、突風が強いとA社は着陸できたのにB社は着陸できなかった、ということになります。



あと、風に関して言えば常に一定の風が滑走路で吹いている訳ではありませんので、たまたま進入のタイミングで制限範囲内に入っていたので着陸できたっていう場合と、たまたまその時間帯は風が強くて制限範囲を超えていて着陸できなかったっていう場合があり、こればかりは運としか言いようがありません。。。



ということで、パイロットの腕と気象条件は関係ありませんって話でした。