FLIGHT LOGBOOK

パイロットの日記

          最近の出来事

          2021.10.05 初めてのセーシェル

          2020.02.05 初めてのマイアミ

          2020.12.21 初めてのカトマンズ

          2020.04.13 初めてのアテネ

          2020.02.15 初めてのロンドン・ガトウィック

          2019.07.01 初めてのマラガ

          2017.06.05 B777資格再取得




初めてのプーケット

訓練じゃないフライトでフランス人副操縦士と初めてのプーケット

初めての目的地でかつリゾート地へのフライトということで、

出勤時から私を含めパイロットも客室乗務員も心がウキウキ。



少し早めにお客様の搭乗も完了し、定刻前に出発


訓練便のように質疑応答も無いので、巡航に入ったコックピットはリラックスモード

フライトも中盤に差し掛かり、到着後のディナーの予定について話していたところでパーサーがコックピットに入ってきて










パーサー「機長、急患発生です!」(;´Д`)




振り返り彼女の顔を見ると真っ青、、、、




至急、コックピットの衛星電話を使って地上のお医者様を呼び出し病状について説明



お医者様からの指示で酸素マスクと必要な投薬を実施


それに引き続き、お医者様から今直ぐ最寄りの飛行場に着陸して患者さんを医療機関に引き渡すようにとのアドバイスが、、、、

その時点で衛星電話をカンファレンスラインに切り替え、

私+お医者様+会社のオペレーションセンター

の3者で現在飛んでいる空域にある最寄りの空港で受け入れ医療機関が整っているかどうか、飛行機を着陸させるにあたり空港施設に問題がないかを議論


といっても飛行機は音速に近い速度で前に進んでいるし、病状を考えると時間をかけて議論する訳にもいかないので




みんな必死です。






数分で結論を出して緊急着陸する空港を決定、管制官に急患発生の旨を伝えてそちらの空港に緊急着陸を要請しました。



カンファレンスラインを終了し、着陸すべき空港が決定した後は機内アナウンスでお客様に状況を説明し目的地までの途中ですが緊急着陸する旨をご理解いただきました。


緊急着陸すると決まれば後はいつもの訓練通り、、、揺れを考慮しながらも普段より速度をあげて降下、進入開始。

管制官も緊急性を考慮し最優先で着陸させてくれました。




着陸後は待機していたドクターと救急隊員が機内に入って患者様を救急車に搬送


これでやっと一安心、お客様にご協力感謝の機内アナウンスをして引き続きプーケットまでのフライト準備にとりかかります。



ただここで一つ問題が、、、、



緊急着陸した空港にはB787を扱える整備士さんがいないのです。





(つづく)