関空貨物フライト
ここのところ毎月恒例になった大阪へのB777貨物フライト
今回はジェット気流の影響により上空の風が強いので、パイロットが4名(機長x2、副操縦士x2)という編成でした。
大阪は緊急事態宣言発令中ということもあり、ホテル隔離
最近、どこの国に行ってもホテル隔離なのでジョギングができずストレスが溜ります。
既にオンラインでオーダーしていた調味料や食品を受け取り、
ホテル内のコンビニでアルコールとおつまみを入手し、
充実したホテル隔離となりました。
麹レモンサワー最高
翌日は一日お休みなので、だらだらとホテルで過ごし
その翌日に再び関空から出発だったのですが
出発ターミナルではたった1列のチェックインカウンターだけがオープンしていて残りは真っ暗
イミグレを通過してみると免税店は全て閉鎖されていて真っ暗でビックリ
先月来たときはチェックインカウンターが少し賑わっていて、免税店も開いていたのに、、、
掲示板を見ると当日旅客便の出発はたった7便
殆どがアジア方面で北米はゼロ、ヨーロッパはパリの1便のみという状況でした。
貨物便はFedExや中国の貨物航空会社が忙しく飛んでいましたが
流石にこの状況に航空業界の危機感を感じずにいられませんでした。
チェンナイに行く予定が、、、
B777の貨物便で初めてのチェンナイのフライトが入り、張り切っていたのですが
直前でB787でカトマンズへの訓練便に変更になり、教官業務で右席に座りカトマンズまで。
最近、めっきり787の乗務機会が減ってるのでこれはこれで嬉しいスケジュール変更でした。
前回のカトマンズ便は最終進入が5.31度という急降下のVORアプローチでしたが
今月に入り、いま働いている航空会社がRNP-ARと呼ばれる特殊な進入形式のアプローチをネパールの航空当局から許可されたので、今回は早速そちらの進入を使ってみました。
降下角度が2.8度とVORの5.31度と比べてほぼ半分
かつVORアプローチの場合は地上の無線施設が必要でしたが、RNPアプローチは基本GPSを使うので地上施設に依存しません
地上施設が不要、維持費も必要ないので
とってもエコロジー
ただ飛行機の装備品にそれなりの精度が求められるので、そちらにかかる費用はエアラインの負担です。
VORアプローチではネパールの山々を上から眺めながら急降下で進入したのが、
RNPアプローチでは山々を上に眺めながら谷間を縫って進入します。
VORアプローチと比べて気象条件が少々悪くても大丈夫なので安心
ということで、ネパール到着後は少し仮眠をとって朝ごはん
結局、チェンナイに行ってもカトマンズに行っても食べてるのもは似たようなものなのでした。
少し休んで明後日は777の貨物便で再び緊急事態宣言発令中の大阪です。
2021年 仕事始め
先月の投稿から約1ヶ月
世間は既に仕事始めが終わり、日常が戻っていますが、、、
遅ればせながら2021年の初フライトで香港に行ってきました。
1ヶ月ぶりのフライトでしたが特に違和感もなく無事に終了
今年も安全運航を堅持し日々の業務に励みます。
初めてのカトマンズ
日本はまだまだコロナ騒動で大変なようですが
私の働いている国ではここ数ヶ月コロナ禍も落ち着きを見せている状況で、入国後の1週間自宅隔離は未だにあるもののフライトは徐々に戻りつつあり、忙しい日々を送っています。
そんななか、弊社のB787がカトマンズに就航するということで初めてのカトマンズに行ってまいりました。
ネパールという国に飛ぶこと自体が初めてなのですが
ヒマラヤ山脈の麓にある国ということで、その首都カトマンズにある空港は高い山で囲まれていて着陸に向けて非常に特殊な計器進入をしなければなりません。
カトマンズに就航する航空会社は、この空港を「Special Airport」と定義していて
機長として飛ぶには特別な訓練や資格が必要になります。
Kathmandu Tribhuvan International Airport (VNKT) Chart
私自身は初めてなので、今回のフライトは自分自身の訓練となり左席で操縦
右席には訓練を終えた教官が乗務しました。
山岳地を避けるために
VOR Runway02 Approach
で最終進入が5.31度と異常な角度が設定されているのですが、通常の計器進入は3.0度なのでかなり突っ込んだ感じの進入となります。
到着したのが深夜だったので残念ながら真っ暗で山を見ることができませんでしたが、B787の性能に助けれつつ無事にカトマンズに到着しました。
ホテルに到着後、すぐに就寝し翌朝部屋の窓から少し見えたエベレストを見てネパールにいることを実感
ジョギングにでかけましたが、道路は整備されておらず野良牛、雑多な人に囲まれすぐにホテルに戻ってきました。
シャワーを浴びて朝食へ
初ネパールということで、ネパールの一般的な朝食を下さいとウェイターに伝えると
でてきたのはインドでよく見かける Aloo Paratha
つい最近まで国の宗教がヒンドゥ教だったので、インドみたいな料理ばかりなんでしょうね、、、カースト制度もあったみたいだし。
日中はコロナの影響もあり部屋でおとなしく過ごしました、早く自由に外出できるようになりネパールビールを飲みながら名物のモモを食べたいものです。
久しぶりの大阪
ドイツからの医薬品
ノルウェーからのサーモン
エクアドルからのフラワーとフルーツ
を満載にして、777の貨物便で関空に到着しました。
飛行中、そう言えば
関空って久しぶりだな〜
なんて思いながらログブックを遡ると、最後に飛んだのは
2012年10月
なんと8年ぶりの関空フライト
コロナ禍になって初めての日本便だったので知りませんでしたが
到着後は関税書類に加えて大量の検疫書類を記入しなければなりません。
空港は前回のホーチミンと同様に閑散としていました
途中、書類を持っていった検疫事務所が空港の中でいちばんの3密という
冗談にもならない真実、、、
入国したら大阪市内のホテルまでクルーバスで移動
バスにwifiが付いていたので(超日本びいきな)ブラジル人とアルジェリア人の副操縦士は大喜び、
彼らによるとアジアの国々に行くとwifi付きのバスに乗ることはあるのですが、ほとんどは使えない、または使えたとしてもめっちゃ遅いそうです。
すぐに高速インターネットに繋がるなんて
「O-MO-TE-NA-SHI, COOL JAPAN!」
だそうです。
ホテル到着後、事前にAmazonでオーダーしておいた大量の書籍をピックアップ
これでしばらく活字に飢えることは無いと思います。
台風12号が大きく南東に進路を変えたおかげで、ホテル滞在でしたが
涼しい秋の日本を感じることができました。
ということで、これから準備して空港に行き次の目的地に向かいます
引き続き貨物便です。
ホーチミン隔離生活
珍しく訓練便じゃないので、のんびりとしたフライトになりましたが
ホーチミン到着後、誰もいない到着ロビーを見てびっくり
通常であれば、出迎えの家族やボッタクリタクシーの客引きでごった返していて
ホーチミン到着の風物詩なのですが、、、、
非日常的な空間が広がっていました。
ホテル到着後は医療スタッフが待つ部屋でPCR検査
「数時間で結果が出るので、部屋で待機していて下さい陽性なら連絡します」と言われ
数時間部屋で待つも何も連絡がこないので、陰性???
と思いながらダラダラとホテルで過ごす滞在となりました。
もちろん翌朝の出発時も
空港の国際線ターミナルにはお客様が誰一人いない状態
イミグレーションに係官が1名
セキュリティに3名
と数えることができるくらいしか空港スタッフもいません。
もちろん免税店も閉鎖
出発便の掲示板を見たところ、当然ですが貨物便が数便でそれ以外の旅客便にはキャンセルの赤い文字が点滅していました。
数年後に当時の空港の国際線ターミナルはこんな非日常的な空間になってたんだな、と懐かしんで振り返ることができるように記録を兼ねてブログをアップしました。
明日は再び貨物便で関空までお仕事です。
日本の南の海上を台風12号が北上しながら
秋雨前線を刺激しているようですが、、、、
近畿南部、東海地方では大雨と強風が予想されますので、住民の方々は雨や風が強まる前に家の周りにある飛ばされやすいものや壊れやすいものを片付け、戸締まりをしっかりして台風への備えをしてください。
ツボレフ154
巡航に入って余裕ができたところで、ハンガリー人の機長に経歴を聞いたところ
以前はDHLで767の機長、その前はハンガリーの国営航空会社でツボレフ154に乗っていたと言うので
私「ツボレフ???」
と聞き返すと、
私「それって、どんな飛行機?」
ハ「727みたいなや~つ」
↓「MALEVハンガリー航空のTu-154」
遠い昔、どこかで見たような気が、、、、
ソ連の飛行機だから、
機長、副操縦士、機上整備士、航法士、無線技士の5名編成なんでしょ?
と聞いたところ、
近代化でコックピットが改修されて、当時はパイロットと機上整備士の3名編成で
航法士が使ってた航法装置や無線技士が使ってた無線機がコックピットのオーバーヘッドパネルに無理やり引っ付けてあったそうです、、、、
その後、ソ連製の飛行機についていろいろと話しを伺いました。
この会社にいるといろんな飛行機に乗ってた人に出会えるのが楽しいです。
タイタニック号の生存予測
無事にタイタニック号の予測が終わりました
Noteはとっても使い勝手が悪いので
そのままkaggleのリンクを張っておきます、興味のある方は覗いて見てください。
スコアは76.8%
これが良いのか悪いのか、、、、びみょう〜
韓国焼肉
B777のコックピットに座って、妙な違和感、、、、
考えてみれば2ヶ月近く、飛行機の操縦をしていませんでした。
暫く飛ぶとまた直ぐに慣れるのですが、こういうときは基本に忠実に
時間がかかってもひとつひとつの操作を確実にこなしていきます。
相変わらず飛んでいる飛行機は少なく、のんびりとした空を楽しみながら無事ソウルに到着
土曜日の昼過ぎに到着したのですが、
ホテルにチェックインする際、ホテルスタッフから日曜日から夜間の外出自粛が始まり
夜9時から朝までソウル市内のレストランやバーは閉まりますとの案内を受けたので
速攻で着替えて副操縦士ともうひとりの機長と一緒に韓国焼肉へ、、、
おなかいっぱい肉を食べて、ビールを飲んでフライトの反省会
充実した滞在となりました。
タイタニック号の生存予測
ここのところフライトの本数が増え、若干忙しくなってきましたが
それまで比較的時間があったので、CourseraでPythonのオンラインコース
を終了した後、いろいろと本やネットで独学していたのですが
ある日、kaggleを見つけ興味本位でアカウントを作ったところ
面白くてハマっています、、、、
Kaggleは企業や研究者がデータを投稿し、世界中の統計家やデータ分析家がその最適モデルを競い合う、予測モデリング及び分析手法関連プラットフォーム及びその運営会社である。 モデル作成にクラウドソーシング手法が採用される理由としては、いかなる予測モデリング課題には無数の戦略が適用可能であり、どの分析手法が最も効果的であるか事前に把握することは不可能であることに拠る。 2017年3月8日、GoogleはKaggle社を買収すると発表した。
そもそも企業や研究者向けで機械学習を使って予測モデルをつくりましょう、というウェブサイトだったのですが2017年にGoogleに買収されたようです。
先日、入門用の課題になっている「メルボルンの住宅価格予測」を終えたので
とりあえず今日から学習用の課題にある「タイタニック号の生存予測」を始めてみました。
このブログとかけ離れた内容なので、自身の記録用(アウトプット)として逐次noteの方にアップしています。
ということで、明日は久々にB777で韓国便
訓練便じゃないので久々の操縦を楽しんでこようと思います。
オンラインコース
コロナ禍でフライトが激減したうえに
1ヶ月近い休暇でも日本に帰ることが出来ないので、何か普段できないことをやろうと思い立ち
データ分析の勉強をはじめました。
もともと学生時代、理工学部で数理計画法を学びC言語でプログラムを書いていた経験があるのですが、
暫くというか数十年コンピューターを使っていなかったので
何もかもきれいスッキリ忘れています。
語学と一緒でこういうスキルって使わないと衰えるいっぽうですね、、、、
で、何から始めようかと考えたところ
ふと数年前に友達に教えてもらった
Coursera
と
edX
を思い出し、調べたらデータ解析や分析のコースがわんさかありました。
さっそく興味のあるコースをとって始めたら
楽しい
の一言
毎日、寝るのを惜しんで勉強するほどハマり
気がついたら5つのコースを終了し、休暇も明日で終わりという感じ。
この1ヶ月間、普段やってるパイロットの勉強で使う脳みそと違う部分の脳みそを鍛えた気がします。
それにしてもこの'Coursera'と'edX'
有名大学の先生の授業を世界のどこでもタダで受ける事ができるって
便利な世の中になったものです。
不安
かなり忙しく飛んでいた貨物便も今月に入りめっきり減って、
世界中の医療品の需要が一段落したようです。
そんな中、エアラインとしては今後数年間続くであろう旅客の需要減を見据え
機材計画の変更を余儀なくされています。
ボーイング社やエアバス社から新規で購入する予定だった飛行機の受領を先延ばしにしたり、発注をキャンセルしたり
現在所有する機体を売却したり、リース契約終了したり、退役を早めたり、、、、
とにかく不必要な機数を削減します。
当然、そうなればその飛行機に携わるクルー(パイロット及び客室乗務員)は不必要になるので、給料削減または解雇ということになります。
ここで難しいのは需要回復時期やその期間で
いまパイロットを大幅に解雇してしまうと、仮に年明けに需要が回復したときに飛行機は新たにリースしたりメーカーで余っている在庫を安く買うことができますが、
それを運航するパイロットは、解雇した人達を呼び戻し再訓練しないといけないので最低でも1〜2ヶ月余裕をもって呼び戻さないといけなくなります。
もちろん、解雇されたパイロットたちにはそれぞれの生活があるので全員が戻ってくるとは限りません、新たな職場を見つけるパイロットもいれば、全く違うキャリアを進み始めるパイロットもいるので。
会社としては明確な予測がないと思い切った人数の給料削減や解雇ができないので、必然的に第1段、第2段と段階的にそれらを行うことになります。
ということで、ご多分に漏れず私の働いている会社においても、それらの発表を待っている段階なのですが、、、、
この辺は日本企業と同じで社内で様々な噂が駆け巡り
多くの社員に不安が募り
懐疑心に苛まれている状態です。
そう、まるで暗闇でいないはずの幽霊が見えてしまうような感じ。
まあ、湾岸戦争、9.11、リーマンショック、SARSといろいろ経験してきたので
「またか」という気分ですが、、、、
不安に思っても仕方がないので与えられた仕事を今までどおりこなしつつ、
万が一に備えて準備をしておこうと思います。