ドリフトダウン
たか〜い山岳地帯の上空なんかを飛ぶ際、機内の急減圧やエンジンの故障なんかが起こってしまった場合、
高度を下げなければならないのですが、そういった山岳地帯では標高が高い山への衝突を回避するため
高度を下げる為の回避経路が定められています。
例えばヒマラヤ山脈では8,000m (26,000ft)
トルコやイランでは5000m (16,500ft)
の山々が連なっているので、これらの上空を飛ぶ際にその回避経路と高度処理の要領が会社の規定で
「Drift Down Procedure」
というものに定められています。
もちろん、この回避経路を使用する場合は緊急状態なので、回避経路の最終地点は最寄りの空港になっています。
昨日のブログでお話したとおり、我々は常に万が一のシナリオを考えて運航していますので、
通常、こういった山岳地帯の上空にさしかかる前に、最寄りの空港の気象状態及び使用滑走路
そして、高度を下げる為に最適な回避経路をFMSの代替経路に入力しておきます。
これで万が一の状況になっても、安全に最寄りの空港に緊急着陸することができるので、まー言ってみれば保険のようなものでしょうか?
こういった最悪の状況を常に考える事により、心に余裕が生まれ普段の安全運航に繋がって行くのだと思います。