エアフォースワン?
B777の新人機長訓練でバンコクまで右席に座り操縦を担当しました。
駐機場を出発して滑走路に向け地上滑走している時に何だか違和感が、、、、
自分で言うのも何ですが、操作がぎこちない
90度曲がる時、ステアリングがぎこちない
停止する時、ブレーキ操作がぎこちない
あれ?あれ?と少し焦る自分、、、、
どうしてこんなに操作がぎこちないんだろう?
なんだかおかしい、、、
と考えること数分。
(゚д゚)!
B777の右席で操縦するの人生で初めて!
6年くらい前にスタンバイから呼び出されて1度だけB777の右席業務をしたことがありますが、当時はまだ教官じゃなかったので操縦させてもらえず。
もちろん定期的なシミュレーター訓練では右席で操作しますが、主に緊急状態の離着陸訓練をするので、地上滑走の訓練ってしません。
そりゃあ、ぎこちないはずです。
滑走路に到着する頃にはもう慣れて、スムーズに操作できるようになりましたが。。。
その後、離陸して経路上の雲を避けながら飛んでいたのですが
雲を避けるため、管制官に進路の変更を要求したら、即答で「許可!」
途中、かなり大きな雲域があって管制官に無理な経路変更のお願いをしても、即答で「許可!」
で、バンコクに向けて降下開始
もちろんバンコク周辺の進入空域も雲だらけ
進路の変更を要求すると、即答で「許可!」
通常ならバンコクの進入管制区はラッシュアワーで速度制限されたり、管制官の方から進路指示され時間稼ぎの迂回や待機をさせられるのですが、
今回に限っては速度制限も待機もなし
っていうか、ラッシュアワーなのに周りに飛行機が1機もいない。
実際TCAS(衝突防止装置)上には多くの飛行機が映し出されているのですが、なぜか管制官との交信が聞こえてこない、、、、みんな待機させられているみたい。
ちょっと不安になったので
私「速度指示とかありますか?」
管制官「好きな速度で飛んで下さい、ILS進入を許可します」
私「えっ!?まだ滑走路から50マイル(92km)以上ありますよ?」
管制官「問題ありません、進入を許可します、管制塔に周波数変更してください。」
通常なら滑走路から5マイルくらいで管制塔から着陸許可がでるのですが、今回は30マイルくらいで管制塔から着陸許可が、、、、、
ラッシュアワーに周りに飛行機が1機もいない状態
訓練生と何かおかしいね、、、、と話しながらも無事に着陸。
着陸後、誘導路を地上滑走しながら駐機場に向かっていると
管制官「タイ航空XXX便、その位置で停止してください、VIP機が通過します」
VIP機?
おれ?
私「・・・そう言えば」
訓練生「・・・そうでしたね」
そう、、、、、出発前に客室乗務員のチーフから説明を受けていたんです
「某国の国家元首が当便にご搭乗なされます」と。
そりゃあ、、、、優先度が高いよね。