久々のチューリッヒ
前回の初めてのチューリッヒからはや4ヶ月、、、
タルタルステーキのことを忘れかけていました。
今回のフライトは若手のカタール人と一緒、ショーアップして挨拶すると新鮮な感じ。
ライセンス取得して2年前に入社し、A320に1年半くらい乗務、その後B787に移行して訓練が終わったばかりなんだとか、、、
大丈夫かな?と一抹の不安を覚えながら飛行機到着して出発前の準備をしていると、ECL(=Electric Checklist:電子チェックリスト)が古いバージョンのままなので、通常手順では無い場合に限り本のチェックリストを使って下さいとの整備員からの指示。
まー通常手順はECLが使えるからいいっか、くらいに考えて「はいは〜い」と軽く返事しておきました。
チューリッヒの天気予報は霧で最悪の場合、視程が200m、、、、いわゆるカテゴリー3というほぼ周りが見えない状態だったので予備燃料を多めに搭載してそのまま出発。
フライト中、何も異常がなく順調に飛びながら定期的にチューリッヒの天候を確認していたのですが、霧の状況は変わらず。
降下を開始してアプローチに入るところですこ〜しだけ視程が良くなって400m、カテゴリー2という状況になりました。
視程400mあれば、コックピットから地表を含めなんとなく周りも見えるのでホッと一安心していたところ
操縦系統に不具合の表示が、、、、
既にアプローチのシーケンスに入っていて、着陸まであと10分くらい
少し焦りながらも副操縦士にチェックリストのオーダーをすると、
もちろん迷わずECLをひらく、、、
この副操縦士、期待どおりの間違いをしてくれるな〜と思いながらも
私「いや、、、通常手順じゃないから本のチェックリスト」
分厚い本をおもむろに取り出し、焦りながらページをめくり始める副操縦士
副「え〜っと、、、操縦系統、、、、操縦系統、、、」
なんかブツブツ言ってる、、、ちょっと不安に感じる私。(´Д`υ)
私「ゆっくり探していいよ、俺が管制官との交信もやるから」
探すこと数分
副「そんなチェックリストありません!」( ゚∀゚)
私 「えっ!?」ヽ(°Д°;)ノ
そうこうしている間に着陸まであと5分くらい
本来ならここで待機をリクエストして、ゆっくりと対処するのですが
もしこの故障が原因で自動着陸が使えなくなり、霧が少しでも濃くなった場合、代替飛行場のフランクフルトに向わなければいけなくなる
というのが頭の中をよぎり
とりあえず副操縦士に操縦を任せ、私が本のチェックリストを開くと案の定すぐに見つかりました。
それを副操縦士に手渡し、再びチェックリストの手順に答えながら操縦
結局、操縦系統の1部が不具合の表示だったのでバックアップの系統を使って引き続きカテゴリー2の着陸を行い無事に早朝のチューリッヒに到着することができました。
ホテル到着後は徹夜仕事だったのでちょっと仮眠してからジョギングへ
ホテルのロビーでストレッチをしていると、美しいイギリス訛りの女性ランナーが近寄ってきて
女性「どこを走るの?」
私「初めてなのでまだ決めてません、とりあえず空港の外周にそって走ろうかと思ってます」
女性「それならオススメの場所があるわ、この近くにとてもステキな森林公園があってジョギングにはピッタリなの!」
ということで、公園まで連れていってもらってジョギング開始
フライトのことも完全に忘れ、チューリッヒ郊外の田園風景とイギリス人女性に癒されるのでした。