機長昇格拒否
アラブ人の自社養成訓練生を連れて夜のコペンハーゲンまで、、、、
到着時は秋というか、もう冬の様相で気温が6度で冷たい霧雨が降っていました。
ホテルに到着後はもう夜も遅かったのですぐに就寝し、朝起きてホテルのレストランで朝食を食べていると
私と入社時期の近い南アフリカ人副操縦士のデイブ(仮名)がテーブルにやってきました。
どうやら前日に我々より早い夕方の便で到着したそうで、彼の便も訓練便なのでセーフティーパイロットとしてジャンプシートに座ってコペンハーゲンまで飛んできたそうな。
久々に会ったので、せっかくだから一緒に朝食を食べることに、
私「そう言えば、そろそろ機長昇格じゃないの?」
デイブ「半年くらい前かな?会社から機長昇格訓練を開始しますって連絡があったんだよ。」
私「えっ?もう始まったの?」
デ「いや、、、、断ったんだ〜」
私「えっ?」(゚д゚)!
CRM教官を兼任していて、知識が豊富でとっても優れた人間性のデイブ、、、、昇格したら素晴らしい機長になるに違いないと思っているのは私だけじゃないはず。
まだまだ若いしこれからって感じの新進気鋭のパイロットなのに。。。。
私が理由を聞く前に話を始めました。
デ「じつはもうそろそろパイロットを辞めようと思っていてね〜」
私 (゚Д゚)
デ「数年前にタイのサムイ島に買った小さなリゾート施設が、意外と繁盛してね〜」
デ「経営は雇ったタイ人に任せているから大丈夫なんだけど、、、、自分はパイロットを辞めて、そのリゾート施設の芝刈りと庭の手入れをしようと思っているんだ〜」
デ「もちろん夕方はサンセット・オン・ザ・ビーチで冷えたビールを飲むんだ〜」
パイロットを辞めて、芝刈りと庭の手入れ。
従業員は知らないけど、実は庭師の白人のおっちゃんがオーナーという、、、、
ステキやん、、、、デイブ
デ「だからここでワザワザ頑張って機長にならなくてもいいかな〜って」
ま〜、、、、彼くらいの経験があれば数年の間、庭師をやって飽きたらまたパイロットに戻ってくればいいわけだし。
人生をエンジョイしてるって感じで羨ましいです。
一段落
バージョンアップに引き続き自分自身の定期審査/訓練を終え、
やっと一段落しました。
ということで、久々にフライト、、、、といっても訓練便ですが。
日本で言うところの「自社養成」のイタリア人とセーフティーパイロットのブラジル人副操縦士
を連れてウィーンまで。
到着時の気温は既に6度、、、、小雨が降り風もあるので
体感気温は2〜3度くらい。
ホテルに到着してジョギングに行くかどうか迷っているところにクルーから
「近所のビール醸造所で美味しいビールを飲んでシュニッツェルを食べましょう!」と誘われ、
意志の弱い私は、誘われるままにBreweryへ、、、、
久々に美味しいビールとウィーン料理を堪能しました。
来月くらいからちらほら雪が降り始めるんだろうな〜
そろそろ冬季運航の勉強を始める時期になりました、、、、もうすぐ年末。
早いですね、1年って。
バージョンアップ完了のお知らせ
朝早くから試験を受けて無事に合格し、バージョンアップ完了。
といっても2週間後には自分自身のシミュレーターによる定期審査があるので、引き続きお勉強です。
けど今夜だけは、、、勉強しなくていいかな?
バージョンアップのため
ブログの更新が滞っていますが、、、、
これから約4週間、教官として更に昇格するための訓練に入り、
来月は半年に一度のシミュレーターによる定期訓練と審査があるので
更に更新は遅くなる見込みです。
というか、暫くブログをお休みいたします。
9月に入り朝晩少しづつ涼しくなってきました、そろそろ本格的なジョギングシーズンの幕開け、、、、
ということで、勉強に運動に励みたいと思います。
夏のスコットランド
久々の更新です。
ちょっと仕事が立て込んでいて、今後も更新が少なくなりますが元気に働いていますのでご安心ください。
さて、久々にスコットランドの首都エジンバラまで新人副操縦士の訓練
スペイン+フランス育ちのイギリス人という変わった経歴の訓練生のダニエル君(仮名)
我が社に入社前はインドネシアのライオンエアーでB737-800/900に乗務していたそうです。
巡航に入って、落ち着いたところで
ダニエル君「機長はテニス好きですか?」
私「いや、、、、高校生の時に体育の授業でやった記憶がある程度だよ。」
ダ「日本人の錦織選手、凄いですよね!オリンピックの試合を見て感動しました。」
私「仕事で試合を見られなかったけど、銅メダルとったんだよね?」
ダ「そうなんです!」
ダ「実は僕も元プロテニスプレイヤーだから試合を見てたら興奮して!」
私「えっ」(゚д゚)!
ダ「世界ランクたったの250位なんで、、錦織選手とは全然比べ物になりませんが〜」(*´∀`)
私「いや、、、それでも凄いでしょ?世界ランクに入るって、、、、、」
これまで、元潜水艦乗り、元数学教師、元エレベーター技術士、元アナウンサー
といった、変わった経歴のパイロットを見てきましたが
元世界ランクのプロスポーツプレーヤーは初めて。。。
左膝を痛め、プロ続行不可能になったのでパイロットに転職したんだとか。
ハンサムで背が高くて元プロスポーツ選手のパイロット、、、、さらに英語、スペイン語、フランス語がペラペラ
世の中には二兎も三兎も四兎も捕まえる人がいるんだな〜、と感心してしまいました。
あっ、そう言えばエジンバラでのジョギング気持ちよかったです。
気温17度で寒かったですが。。。
再び羽田
ギリシャ人機長、副操縦士と私を含めた3名で羽田へのフライト、、、、
ウェルカムアナウンスを終え、出発準備を続けていると
客室乗務員が名刺をもってコックピットに、、、
客室乗務員「機長の同期のお客様が名刺を下さいました、宜しくお伝え下さいとのことです。」
私「えっ!?座席はどこ?」
客乗「3A」です
ということで、準備の合間を縫って挨拶に行くと、懐かしい顔が!
まさかこんなところで同期に会えるなんて、ちょっと感動でした。
無事に羽田に到着しホテルにチェックイン
到着後、タコ焼きとタコの刺身が食べたいと言い出すギリシャ人2名。
ということで、ホテル近くの居酒屋に行ってビールで乾杯
もちろんつまみはタコ焼きとタコの刺身。
結局、朝まで飲んでしまいました。。。。
昼前に目が覚め、多摩川沿いをジョギング
曇り空で少し蒸し暑かったですが、リフレッシュすることができました。
初めてのラホール
アイルランド人機長とフィンランド人副操縦士の1年1回の定期路線審査のため
ジャンプシートに座ってパキスタン第2の都市ラホールまで。
少し前に「沈まぬ太陽」を読んでカラチに思いを馳せていましたが、
カラチを通り越してラホールに行くことになるとは思いもしませんでした。
そもそもラホールがどこにあるのかよく分かっていないし、、、、
今年の3月に市内の公園で自爆テロがあり、24名の子供を含む72名の方々が亡くなった事件はまだ記憶に新しいので、フライトの準備から終了までセキュリティに関しては十分に配慮して運航を行いました。
無事、ラホールに到着して1時間半で折り返し便の準備を完了しエンジン始動したところで、突然の
「左エンジン停止」
ジャンプシートに座っていた私も含め、コックピット全員
Σ(・∀・|||)ゲッ!!
思わず声を出してしまいました、、、、
機長はインターフォンで整備士と話し合い、再度左エンジンを始動してみることに、、、、
無事にエンジン始動完了し、特に問題もなさそうなので運航継続となり無事に家に帰ることができました。
よかった〜、、、、ラホール宿泊なんてことにならなくて。
夏の北欧
教官訓練を終え、新しいパスポートをフライトバッグに入れ
初めて行くジュネーブへのフライトの勉強をし、
宿泊予定のホテルから
のジョギングコースを地図上で確認したところで会社からスケジュール変更のお知らせ、、、、
ということで、ジュネーブでジョギングする予定がストックホルムでのジョギングとなりました。
夏の北欧は気持ちが良いので、別に変更は良いのですが、、、、初めてのジュネーブに行けなかったことが少し残念。
走り慣れたストックホルムのアーランダ空港周辺、
走り始めてからなんとなくジャンボジェットのホテルを近くで見てみたくなり、ちょっと寄り道。
いや〜、なんだか壮観です。
飛行機まるごとホテルだなんて。。。。
それも翼の上にカフェテリアがあるし。
聞いた話ですが、このB747-200
製造されて最初はシンガポール航空で飛び
その後、売却されてパンナム航空で飛び
その後、さらに売却されてスウェーデンのチャーター会社で飛び
合計25年間飛んだ後、ホテルになったそうです。
そう考えると、10年後くらいにはA380が世界のどこかでホテルになっているのかもしれませんね。
パスポート更新
今日はお休み、そして明日から3日間の定期教官訓練(授業)があるので
このタイミングで期限が1年を切ったパスポートを更新しようと思い付き、居住国にある日本大使館まで行って来ました。
通常、申請日と受領日を含めて6日間かかりますが
普段の仕事内容を配慮していただき、4日間で手続きしていただけるということで
ギリギリ次回の仕事に間に合うので更新手続きをお願いしました。
当然のことですが更新期間はパスポートが手元にありません、、、、海外で生活をしていてこんなに不安なことはありません。
万が一、内戦が起こったり、テロが起こったり、災害が発生したり、
不測の事態に陥った時、各国の大使館は自国民の保護をしますが
パスポートが無いと自国民という証明ができません。
また、そのような状況で自力で国外に脱出しようとしてもパスポートがないと
当該国を出国できない
また、運良く出国できても第三国に入国できない。
ということに。
また、我々のような仕事をしていると急なスケジュール変更により国際線のフライトが入っても
パスポートが無いと仕事に行けない、
ということになります。
ということで、多くの国では仕事(業務)の特殊性を考慮して予備のパスポートを発給してくれるのですが
日本ではその特殊性が認められず予備パスポートを発給してもらえません。
心細いな〜、、、、この4日間。
初めてのマンチェスター
地理に詳しくない私は、マンチェスターと聞いてもフットボールチームくらいしか思い浮かばない、、、
で、地図で調べてみるとロンドンから約300km北にあるイギリス中部の街でした。
訓練じゃないのでリラックスしたフライトで無事に到着
最近体内時計がどこに合っているのか分からず、到着後はベッドで横になってそのまま熟睡してしまいました。
外が明るくなってきたので目が覚め、時計を見るとまだ午前4時30分、、、、
ヨーロッパの夏は日照時間が極めて長いのです。
気温11度、ということで近所の公園まで早朝ジョギングに
朝日に照らされる緑が眩しい。
今日はマンチェスターで1日お休み、、、、、ということで市内観光にでも出かけてきます。