エンジン輸送
休暇前の最後のフライトで着陸直前に問題が起きましたが、なんとか無事に休暇に入り
暫くの間、すべてから解放され自由を満喫しています。
1週間くらい前に航空ニュースで話題になった5発エンジンのカンタス航空B747
南アフリカのヨハネスブルクで故障した同社のB747のエンジンを空輸するための措置でした。
以前、747に乗務していた時にマニュアルで読んだり、ベテラン機長から経験談を聞いたことがありましたが、こうやって写真で見るのは初めてなのでとても新鮮な感じ。
ジャンボジェット全盛期の頃はまだ747の貨物便も飛んでいなかったので、こうやって胴体と2番エンジンの間に交換用のエンジンを積んで運んだのですが、最近ではそのまま貨物便に乗せて空輸します。
カンタス航空でもこの5発エンジン運用はほぼ5年ぶりなんだとか。
手間がかかるんだろうな〜と思っていましたが
5番目のエンジンポットを取り付ける作業は3時間
その後、このロールスロイスのエンジンは一つあたり6トンあるので
機体のバランスを変更して、まっすぐに飛ぶように調整したらそのまま出発だそうです。
意外と短い時間で出発できることにびっくり。。。
パイロットは飛行特性の変化をそれほど感じずに飛ぶことができるそうですが当然、社内でも特別な資格のあるパイロットしか運航することができません。
5番目のエンジンは抵抗でしかないのでシドニーを離陸した飛行機はパースで燃料補給をしてヨハネスブルクまで無事にエンジンを届けたそうです。
このニュースを見ていて思い出したのですが、B747には
整備施設の無い空港で一つのエンジンが故障した時のために、残りの3つのエンジンだけで最寄りの整備施設がある空港まで飛んでいける3エンジンフェリーの運航手順があったり、
故障したエンジンの代わりに、同じエンジンメーカーでも型式の違うエンジンを積んだりするミックスエンジンオペレーションの運航手順があったりするんです。
こうやって考えると747以上に制限の多いエアバス380なんか運航上のトラブルがあった場合、いろんな苦労があるんだろうな〜と休暇中でも他人の飛行機のことを心配する今日この頃です。