危険物の搭載
久々の長距離飛行でサンパウロまで
いつものことなのですがコックピットで出発準備をしている時、
お客様の搭乗が終わる頃に貨物の搭載責任者が
危険物搭載リストをコックピットに持ってきます。
いわゆる
Notice to Captain =「NOTOC」
と呼ばれているものです。
これには
危険物の
品名
容量
目的地
機内搭載場所
対処コード
等が記載されています。
で、我々はこれらに目を通して、規則で定められた内容物か?規定内の内容量か?等を確認し
署名した後に対処コードから、万が一これらの危険物の梱包が溶けて内容物が出てきた時の対処をクルー全員で確認するわけです。
その時に使われる「赤本」と呼ばれているものが、こちらの
「Emergency Response Guidance」
この本を使って、危険品一つ一つ対処コードを確認して対処方法を確認します。
この本、国際連合の定める勧告に従って作成されているので、国が違っても全ての航空会社で同じものを使っています。
パイロットを始めた最初の頃、どこの航空会社に転職しても同じ「赤本」だったので
「また同じ本が搭載してある〜!」
っていちいち驚いていたのですが、国際標準だから当然といえば当然なんですよね。。。。
で、ず〜っとこの本ってどこで売ってるんだろう?って疑問に思っていたのですが
どうやら最近、ICAOのウェブサイトでオンラインショップを始めたそうで、手軽に個人でも購入できるようになったみたい。
と言っても、こんなもの個人で買っても何の役にも経ちませんが、、、、
ちなみに危険物を分類すると火薬類(爆発物)から引火性液体類、放射性物質に至るまで様々なものがあり、とっても物々しい感じがしますが
具体的には
冷凍食品を運ぶ時に搭載する「ドライアイス」
や
携帯電話やパソコンの「バッテリー」
とか
香水
といった、意外に身の回りにあるような物なんですよ。
長くなってしまいましたが、サンパウロまでお客様と共に
いま話題になっている大量の「リチウムイオン電池」を運んできました。
もちろん、到着後はクルーみんなとシュラスコにカイピリーニャ!
お腹一杯です。。。。