初めてのプーケット2
(前回からの続き)
無事に急患を救急隊員に引き渡し、患者様のご家族を含め降機していただいた後に出発準備
え〜っと、、、、何から始めよう?
と考えているところにタイミング良く会社のオペレーションセンターから電話が
オペレーション「出発時刻を16:40に設定して飛行計画書を提出したから、その時間で出発できるように準備を進めてね!」
私「了解、じゃあ飛行計画書は飛行機に直接送って!あと整備士さんは、、、、」
オペレーション「その空港にいる整備士さんは我が社の787が扱えないから、、、、自分でやってくれない?」
私「・・・了解」
ということで、普段は整備士さんが行う「飛行間点検」と「出発前点検」を自分で行うことに、、、、
こういった場合に備え、基本的な訓練は受けているのですが滅多に行わないのでマニュアルとチェックリストを見ながら一つ一つ確実に実施。
オペレーションから指定された出発時間まで40分と少し、、、、お客様はには降機していただかず、引き続き搭乗していただいたまま自ら整備作業と給油作業を行います。
その間、副操縦士にはコックピットの出発準備を依頼
全ての整備作業と給油作業が完了したところで
飛行機の整備記録に自分で署名、、、、、
普段、整備士さんが署名して機長がそれを確認するのですが、今回は全ての署名が自分、、、、、
初めてのことで若干戸惑いながらも予定出発時間を少し過ぎたころに全ての作業が完了し、プーケットに向けて出発することができました。
本来の到着時刻より約3時間遅れて無事プーケットに到着、
到着後、チーフパーサーとターミナルを歩きながら
私「お客様、3時間も遅れて怒っていらっしゃったでしょ? 大変だったね、、、」
チーフパーサー「いえ、皆様、嫌な顔ひとつなさらず笑顔で降機され、その際にクルーによく頑張ったねとお声をかけて下さいましたよ。」(^ω^)
私「え〜っ!そうなの?」
チーフ「何人かのお客様からは思い出に残るフライトになったと、お手紙までいただきました」
私「なんて良いお客様、、、」(´;ω;`)
ホテルに到着してクルーみんなでビールでも飲もう!とチェックイン後、ロビーに集合したのですが
既に夜遅くホテル周辺のレストランは閉店。。。。
仕方がないのでホテルの中庭にあるプールでルームサービスをオーダーして
月明かりと心地良い海風にあたりながらビールを飲んでいると、
エチハド航空のクルーとヴァージンオーストラリアのクルーも集まってきて大宴会となりました。
翌朝、今回の緊急着陸の件がいくつかの新聞に掲載されており、、、、朝食で集まったクルーは朝から大騒ぎ。
しばらくすると会社からフォローアップの電話が、、、、
身体的に疲れていないか?
精神的なダメージがないか?
プーケットからの折り返し便が運航できるか?
全てのクルーに確認しているとのこと。
さすが外国の航空会社は違うな〜なんて変に感心。
日本の航空会社ではこんなフォローアップがなかったので、、、、
もちろん、全クルー問題なく折り返し便を運航して無事に帰ってきました。
とても記念に残る初めてのプーケットとなったのでした。