Evidence Based Training
半年に1回の定期訓練・審査が無事に終了しました。
今年度から新たなEBT (Evidence Based Training)という訓練体型が導入されました。
これまで行われていた訓練は世間一般的にどこの航空会社でも行われている訓練で、
Task Based Training
と言われているもので、離陸時のエンジン停止や片側エンジン停止状態での進入着陸など、
個別の訓練課目に対して技量レベルを向上させることが目的でした。
そもそもこの旧訓練体型が始まったのは、50年以上前、、、、
第1世代の旅客機であるB707やDC-8が全盛期の時代でした。
当時の旅客機のエンジンは信頼性が低かったので、定期的に離着陸時のエンジン故障の訓練審査を行い
パイロットの技量を維持する必要がありました。
で、時代は進みB777やA380といった第4世代の旅客機が飛び回る世界になりましたが、
その訓練体型は50年前と変わらないものでした。
過去30年のIATA、ICAO、EASA-JARのアクシデントやインシデントを見なおした結果、
エンジンの信頼性が飛躍的に上がり、航空機の性能が上がっても一定数の事故は起こり、
その多くは人為的ミスにより引き起こされたものでした。
ということで、ここでこれまでの3000件以上に及ぶ過去のアクシデント、インシデントのデータを元に
より総括的な訓練を行い、技量はもちろんのことパイロットとしての能力(技能)を向上させよう!
ということになり、開発された新たな訓練体型がEvidence Based Trainingです。
この訓練体型、、、、まだ世界中の航空会社を探しても導入しているのは僅か数社ですが、今後この訓練体型が世界標準になっていくのだと思います。
今回は初回ということで教官も訓練生も手探りの中で訓練が行われたのですが、結果としてこれまでの訓練以上に学ぶことも多く有効な訓練手段だと思います。
さて、明日は久々に羽田フライト
日本食を満喫しようと思います。