夏休み終了
また?夏休みをいただき
1週間ほど東南アジアに行ってまいりました。
この時期の東南アジアは意外と涼しく、幸運にも雨が少なく快適に過ごすことができました。
ということで、明日から再びシミュレーターや路線訓練の生活に戻ります。
実機訓練
前回の訓練の流れで説明したとおり
シミュレーターで実技試験を実施した後、型式の免許証は手に入り
引き続き、お客様や貨物を乗せての路線訓練に入るのですが
ジェット機に初めて乗る訓練生、いわゆる自社養成やフライトスクールでライセンスを取得しただけの訓練生は実機訓練というものが必要になってきます。
そう、、、その昔、JALやANAが下地島でやってた訓練です。
国によって回数は異なりますが、多くの国では実際の飛行機を使って6回の離着陸と1回の着陸復行を行います。
いきなり実機訓練に進むと教官も大変なので
実機訓練のためのシミュレーター訓練
(シミュレーターを使って離着陸だけを訓練)
をしてから実機訓練に臨みます。
で、その実機訓練を先日787で行ったのですが、、、、訓練生2名を乗せて合計12回の連続離着陸と2回の着陸復行。
久々に乗り物酔いになりました。
この実機訓練を無事に終えた若い訓練生達はこれから路線訓練へと進むことになります。
訓練の流れ
おおよそどこの国でもあるのですが
プロペラの飛行機でパイロットとしてのライセンスを取得した後、
エアラインに就職して初めてジェット機の資格を取得する場合、
CBT (Computer-Based Training) 教室や自室でPCを使ったシステムの授業
↓
システムについての学科試験
↓
FTD (Flight Training Device)と言う動かないシミュレーターを使った訓練
ここで主に自動操縦を使って通常手順と緊急手順を習得します
↓
FFS (Full Flight Simulator)を使った訓練
ここでは通常状態と緊急状態の手順に加え、それらの状況下での手動による飛行技術を習得します
↓
FFSを使った実地試験+口述試験
という流れで免許を取得します。
口述試験はFTD訓練の前にやったり、FFS訓練の前にやったり
はたまた日本のように実地試験の当日にやったり、と国によっていろいろなのですが
平均的な時間は1〜2時間程度で質問されることは飛行機のシステムに関する事がメインになってきます。
これらの訓練、試験に合格すると晴れてその型式の飛行機(A320、B737、ERJ170等)の免許証を手に入れることができますが、、、、まだまだ訓練は続きます。
博物館めぐり
5月の怒涛のスケジュールをこなし、やっと一段落
ということで、少し早いですが夏休みを頂き、ワシントンDCの博物館巡りへ
ワシントンにはこれまで幾度と仕事で飛んでいますが、
博物館めぐりをするような時間がなく、今回ゆっくりと時間がとれたのでやっと来ることができたという感じです。
1日1博物館、、、、と思い計画を立て
とりあえず自然史博物館に行ってきました。
Smithsonian National Museum of Natural History
博物館が巨大で
展示物の内容が濃ゆすぎて
頭と体力の消耗が激しいです、、、、1日1博物館は無理そう。
私の能力では2日で1つの博物館が限界です。
歴史博物館
航空宇宙博物館
アフリカ美術館
アメリカ美術館
時間があれば動物園
と考えていましたが、今回計画した5日間の滞在では絶対に無理。
ということで、時間が許す限り2〜3の博物館を巡り残りは次回また訪問したいと考えています。
あっ、もちろん朝は走っていますよ。
ナショナル・モールジョギング、気持ちが良いです。
早朝のワシントン記念塔
からのホワイトハウス
朝のホワイトハウス前は観光客もいなくて静かです。
定期審査/訓練 2019 春
半年に1度の定期審査及び訓練
今回も操縦系の故障から出所不明の煙、そしてエンジン出火から主脚擱座まで
いろいろとトラブル続きの2日間だったのですが
何と言っても今回の目玉は
「鳥衝突による両エンジン停止」
でした。
そう、、、例の映画化されたハドソン川の奇跡と同じシナリオです。
これが定期訓練の課目に入っていてビックリ
ということで、
離陸上昇中に停止しましたよ、、、、両エンジン
ちゃんとシミュレーターの画面上でも鳥の大群が横切っていきました。
上空500mくらいだったと思います、エンジンのない旅客機なんて滑空比率の超悪いグライダー。
何が何やら分からないうちに滑走路にギリギリ滑り込みセーフという感じでした。
正直、こういった訓練って負の訓練(ネガティブトレーニング)のイメージが強いので避けられることが多いのですが、実際にやってみて良い訓練になったと思います。
反省するところも多々ありますし、、、、今宵はゆっくりと復習します。
SEP 定期訓練
1年1回のSEP (Security and Emergency Procedure)定期訓練
ということで朝7時半に始まり
First Aid
Aviation Security
B777 Safety Procedure & B777 Freighter Safety Procedure
B787 Safety Procedure
Fire Fighting
と夕方5時までビッシリと
座学、テスト、ドアの開閉、そして消火活動
が続きました。
座学の最後にはそれぞれ学科試験があり
Fire Fightingを除く全てで4科目、、、もちろん普段から飛んでいるので合格して当然なのですが
やっぱり試験と名の付くものは嫌なものです。
今年もとても長い1日が終わりました。
久々にモスクワ
振り返ってみると3年ぶり
ということで、自社養成の副操縦士昇格訓練で久々のモスクワに、、、
3年ぶりに来たら滑走路が1本増えて空港が忙しくなっていてビックリ。
とりあえず到着後、軽くジョギングに行ったのですが
突き抜けるような青空
ロシアっぽい教会を見ながらモスクワ川までジョギング
4月ももうすぐ中旬だというのに
まだまだ凍っていました
厚手のジャケットを着ているロシア人を眺めながら
半袖短パンで川沿いを駆け抜ける怪しいアジア人、、、、、鼻水を垂らしながらの快走でした。
ジョギング後、近所のショッピングモールをうろうろ
ユニクロ、ZARA、H&M、GAPとロシアっぽいものは一つもなく、完全に西洋化されていてなんだか寂しい。
ジョギング後、モールのフードコートでとりあえずロシアっぽいランチを食べたのですが
言葉が通じず適当に頼んで出てきたものがこちら
これで600円
安いのか高いのか分かりませんが、とりあえず満腹にはなりました。
転職理由
B777でムンバイへの訓練フライトのため出勤
訓練生のこれまでの訓練記録に目を通し、飛行計画を確認して飛行機に向かう途中、
後ろから追いかけてきた、知らない副操縦士に声をかけられました、
知らない副操縦士「機長、すみません、日本人ですか?」
私「はい、、、あなたは?」
副「私はブラジル出身なんですが、妻が日本人なんです。乗務機種は何ですか?」
私「777と787だよ、あなたは?」
副「A380なんです、もうすぐA380で機長昇格する予定です。」
私「お〜、それはおめでとう。」
副「機長になって経験を積んだら、ピーチに転職して夫婦で大阪に住みたいんです!そのために機長昇格訓練がんばります!」
私「マジっすか!?」(゚д゚)!
副「エアバスの経験があれば直接機長として採用してくれるみたいなんで〜」
私「いやぁ〜、、、、そうかもしれないけど、、、、」
まぁ、、、人それぞれ転職の理由はありますが
フルサービスエアラインで超大型機の長距離路線で機長昇格して、
そこから
LCCの小型機で短距離路線に転職
う〜ん、、、高低差ありすぎて耳キーンってなるわ。
がんばれブラジル人!