セイロンティー
「スリランカ=紅茶」というくらい有名なセイロンティー
政府機関に航空局ならぬ「紅茶局」があるくらい、国としても茶葉の輸出に力を入れていて、この紅茶局の認めた茶葉にはライオンのマークが入っています。
↓こんなやつ
日本で言えば、農林水産省に寿司局があって寿司の品質に関してお墨付きを与えるって感じでしょうか?
友人の機長に頼まれ、ホワイトティーのゴールデンチップを買いに行ったのですが
残念ながらいくつかの紅茶専門店で売り切れ、、、、
仕方なくシルバーチップを購入したのですが
せっかくなので、飲んでみようと思い自分の分も買ってみました。
それから4日経ち、今朝ジョギング後にそう言えば、、、、と思い出し飲んでみたところ
美味しい
まったく紅茶に疎い私ですが、
こんなにまろやかな紅茶は今まで飲んだことがありませんでした。
しばらくハマりそうです、セイロンティー。
アーユルヴェーダ
日本人にはあまり馴染みのない、この「アーユルヴェーダ」
アーユルヴェーダはインド大陸の伝統的医学である。ユナニ医学(ギリシャ・アラビア医学)、中国医学と共に世界三大伝統医学のひとつであり、相互に影響し合って発展した。トリ・ドーシャと呼ばれる3つの要素(体液、病素)のバランスが崩れると病気になると考えられており、これがアーユルヴェーダの根本理論である。
その名は寿命、生気、生命を意味するサンスクリット語の「アーユス」と知識、学を意味する「ヴェーダ」の複合語である。医学のみならず、生活の知恵、生命科学、哲学の概念も含んでおり、病気の治療と予防だけでなく、より善い人生を目指すものである。健康の維持・増進や若返り、さらには幸福な人生、不幸な人生とは何かまでを追求する。文献の研究から、ひとつの体系としてまとめられたのは、早くても紀元前5 - 6世紀と考えられている。
インドの伝統医学で最初に医師の診断を受けて、
ビラに1週間から長くて数週間滞在し、その間身体にあった良いものを食べ、オイルマッサージ、シロラーダ、ヨガ等を通じて身体を浄化しながら体質改善して健康になるという流れだそうです。
あいにく今回は1週間も滞在する余裕が無いので
とりあえず1日体験コースということになりました。
医師の診断も飛び込みなので割愛、
香ばしい香りのオイルを潤沢に使って
ヘッドマッサージ
↓
全身マッサージ
↓
スチームサウナ
↓
シロダーラ
↓
ハーバルバス
と、3時間半、、、、付き人がついて至れりつくせりの極上の時間を過ごさせていただきました。
特にあの「シロダーラ」っていう頭からオイルをかけるやつ。
最初、生ぬるいオイルを額にかけられた時は鳥肌がたちましたが
知らない間にウトウト、、、、
終わってみると頭の内部?脳みそ?が空っぽになったようなスッキリした状態になり、リフレッシュすることができました。
最後にジャスミン茶とフルーツを頂き、満足したところでお会計。
日本円にして3300円、、、、
このお値段でこれだけリフレッシュできるならリピート確定
空港近くのスパなのでトランジットの旅行者にもオススメです。
会計後、スパの車で近くのレストランまで送ってもらって夕食
ビーチで夕焼けを眺めながらのシーフードプラッター
激安でした。。。。
休暇でノンビリと来たいな〜、スリランカ。
準備不足
翌朝、目が覚めジョギングに行こうと思いたち、ホテル周辺を調べたところ
走れるような歩道がありません、、、、とってもカオスな町です。
結局ホテルのジムで走って筋トレ、そのままホテル内のレストランで食事を済ませたらウトウトと寝てしまい無事?お休み1日目が終わってしまいました。
お休み2日目
ホテルのコンシェルジェに聞くと、5〜6時間かかるんだとか。
時計を見たら既にお昼前、
じゃあキャンディで紅茶工場の見学は?
と思いましたが、同じくらい時間がかかるって。。。
今すぐ出発して深夜に帰ってくるという選択肢もありますが、
万が一、帰ってこれない場合は翌日の仕事に支障をきたすので遠出を断念。
完全に事前準備不足
ちょっと自己嫌悪な気分になったところで、知り合いのキャビンクルーさんが
と教えてくれたのを思い出し、調べてみるとホテルから20分くらいのところに
有名なアーユルヴェーダのスパを発見
予約なしで飛び込みで行こうと考えていましたが、
もし空きがなくて断られ無駄足になるのも嫌なので、ホテルのコンシェルジェに電話番号を渡して予約をとってもらうことに。
私「このスパの1日コースの予約をとって下さい、これ電話番号、あっ時間は12時からお願いします。」
コンシェルジェ「ノープロブレム、サー!」
海外生活が長いと、このノープロブレムが一番のプロブレムなのは知っています。
なので、念のため
私「ここに電話して、今日の12時から、トニーって名前で予約して下さいね。」
コ「ノープロブレム、サー!」
と子供でも分かるくらい、ゆっくり丁寧に伝えました。
で、11時半くらいにホテルを出発し、タクシーに乗り込み
タクシーの中で
ドライバー「ミスター、アーユルヴェーダよりも気持ちの良いマッサージ屋に連れて行ってあげるよ」
私「いらない」
ドライバー「若くてキレイな女性がたくさんだよ〜♥」
私「いらない」
ドライバー「見るだけでもいいから〜」
私「見ない」
と言いつつ、ちょっと気持ちがユラユラしたり、、、
という、いつものクダリがありーの
12時少し前にスパに到着してレセプションに行くと
私「12時から予約したトニーです」
スパ「いえ、、、予約入っていませんが」
私「ホテルのコンシェルジェから予約を入れてもらったのですが」
スパ「いえ、そのホテルから本日は予約を頂いておりません」
私「・・・」
という、ここまでが東南アジアのデフォ。
東南アジア経験が長いトニーさんくらいになると、もうこのくらいじゃぁへこみません。
幸運にも空きがあったので、1日コースをスタートするのでした。
つづく
初めてのコロンボ
新人機長の訓練のため教官業務で右席に座って、スリランカのコロンボまで。
先週のベイルートに続き、人生初めて足を踏み入れる国なので何だかテンションが上がります。
スリランカも日本人にはあまり馴染みの無い国で、直行便は成田〜コロンボが週4便
2009年まで内戦が行われていたので、特にセイロン島北部では治安が良くありませんでしたが近年は比較的安定しているようです。
ちなみに昔、社会の授業でスリランカの首都がコロンボと教わった方は私と同年代です、、、、現在の首都はスリジャヤワルダナプラコッテ、言語はシンハラ語でまったく理解ができませんでした。
今回は不規則なスケジュールでコロンボに到着後、現地でまる2日間のお休み
ちょっとした休暇です。
さて、、、何をするかな?
初めてのベイルート
初めてのベイルート、、、、と言っても日本人にはあまり馴染みの無い都市なので、ピンと来ない読者の方が大半だと思いますが。
地中海に面した穏やかな気候の国ですが、、、
内政は複雑でシーア派のヒズボラがイランやシリアから支援を受けて未だに活発に活動中。
まぁ、、、西に地中海、南にイスラエル、残りはすべてシリアに囲まれた地政学的にリスクの大きな場所に位置しているので仕方がないのですが、「中東のパリ」と呼ばれるくらい美しい都市なのに残念ながら観光に不向きな場所になっています。
海外安全ホームページ: 危険・スポット・広域情報(レバノン)
治安が落ち着いたら観光で訪れてみたい都市のひとつです、、、、ベイルート。
飛行機の外板
少し前にJALWAYS時代に一緒に飛んでいたアメリカ人の友人から
「自分たちが飛んだ在来型ジャンボが砂漠で退役して、その外板がタグとして売られてるよっ!」
という連絡があり、早速買っちゃいました。
この飛行機(B747-300 MSN23068)は1983年に日本航空にデリバリーされ、
当初は「N213JL」でアメリカ籍の登録となっていました。
1998年に日本航空が買い取り「JA813J」日本籍での登録に、
2010年の日本航空破綻と同時にアメリカのSouthern Airに売却され「N818SA」に、
翌年の2011年には現役を退いて現在では砂漠で眠っています。
ログブックを調べてみると「JA813J」時代に副操縦士として主にホノルル、成田、名古屋、バンコクといった路線で98時間58分乗務していました。
自分の乗務した飛行機の一部がこうやって手元に残るなんてとても感慨深く、初心に戻って安全運航に精進しようという気持ちになりました。
秋休みで暫く日本に帰って酒浸りの生活を送っていましたが、、、、また明日から職場に復帰します。
あっ、ちなみにタグはこちらで購入しました。
興味のある方は是非!
モンスーン
バンコクからの折り返し便
日没後の出発だったのですが、空港周辺というかバンコク一帯に積乱雲が発達してカミナリがあちこちでピカピカゴロゴロドンドン。
まるで夜のエンターテイメントのように突然明るくなったり、爆裂音が響いたりしていました。
コックピットで無意識に Thunder Buddy Songを口ずさみFMCにデータを打ち込んでいる自分、、、、
人の気配を感じ、振り返ると整備士さんが不思議そうな顔でこちらを見ていました。
(´Д`)
予定より1時間近く遅れて離陸しましたが、空港周辺は予想していたとおり雷雲がひしめき合っていました
結局、右往左往しながら無事に帰ってきました。
モンスーンが終わるまでもう少し、、、積乱雲は続きそうです。
エアフォースワン?
B777の新人機長訓練でバンコクまで右席に座り操縦を担当しました。
駐機場を出発して滑走路に向け地上滑走している時に何だか違和感が、、、、
自分で言うのも何ですが、操作がぎこちない
90度曲がる時、ステアリングがぎこちない
停止する時、ブレーキ操作がぎこちない
あれ?あれ?と少し焦る自分、、、、
どうしてこんなに操作がぎこちないんだろう?
なんだかおかしい、、、
と考えること数分。
(゚д゚)!
B777の右席で操縦するの人生で初めて!
6年くらい前にスタンバイから呼び出されて1度だけB777の右席業務をしたことがありますが、当時はまだ教官じゃなかったので操縦させてもらえず。
もちろん定期的なシミュレーター訓練では右席で操作しますが、主に緊急状態の離着陸訓練をするので、地上滑走の訓練ってしません。
そりゃあ、ぎこちないはずです。
滑走路に到着する頃にはもう慣れて、スムーズに操作できるようになりましたが。。。
その後、離陸して経路上の雲を避けながら飛んでいたのですが
雲を避けるため、管制官に進路の変更を要求したら、即答で「許可!」
途中、かなり大きな雲域があって管制官に無理な経路変更のお願いをしても、即答で「許可!」
で、バンコクに向けて降下開始
もちろんバンコク周辺の進入空域も雲だらけ
進路の変更を要求すると、即答で「許可!」
通常ならバンコクの進入管制区はラッシュアワーで速度制限されたり、管制官の方から進路指示され時間稼ぎの迂回や待機をさせられるのですが、
今回に限っては速度制限も待機もなし
っていうか、ラッシュアワーなのに周りに飛行機が1機もいない。
実際TCAS(衝突防止装置)上には多くの飛行機が映し出されているのですが、なぜか管制官との交信が聞こえてこない、、、、みんな待機させられているみたい。
ちょっと不安になったので
私「速度指示とかありますか?」
管制官「好きな速度で飛んで下さい、ILS進入を許可します」
私「えっ!?まだ滑走路から50マイル(92km)以上ありますよ?」
管制官「問題ありません、進入を許可します、管制塔に周波数変更してください。」
通常なら滑走路から5マイルくらいで管制塔から着陸許可がでるのですが、今回は30マイルくらいで管制塔から着陸許可が、、、、、
ラッシュアワーに周りに飛行機が1機もいない状態
訓練生と何かおかしいね、、、、と話しながらも無事に着陸。
着陸後、誘導路を地上滑走しながら駐機場に向かっていると
管制官「タイ航空XXX便、その位置で停止してください、VIP機が通過します」
VIP機?
おれ?
私「・・・そう言えば」
訓練生「・・・そうでしたね」
そう、、、、、出発前に客室乗務員のチーフから説明を受けていたんです
「某国の国家元首が当便にご搭乗なされます」と。
そりゃあ、、、、優先度が高いよね。
パイロットに求めれる資質
学生の方からよく
「パイロットに求められる資質ってなんですか?」
という質問を受けます。
パイロットを目指すために学生時代からその資質を養いたい
という意志を感じますし、とっても良いことだと思います。
個人的には「コミュニケーション能力」と「英語」がとても重要だと考えていますが、やっぱり時代の流れというものがあって、飛行機の自動化が進み、システムの信頼性が高くなるにつれてこの一般的に「パイロットに求められる資質」も変わってきたりします。
ひと昔まえであればCRMに重点が置かれ、そのCRMを構成する要素であるリーダーシップやコミュニケーションといったNon Technical Skillが重要な資質とされていましたが、最近ではCRM能力は既に身につけているという前提で
「STARTLE EFFECT」
からの
「RESILIENCE」
という能力が重要だとされています。
いわゆる
「びっくりした状態から如何に早く立ち直るか」
という能力、、、一言で言えば「何事にも動じない能力」
じゃあ学生時代からこの能力を鍛えるにはどうすればいいのか?
う〜ん、、、、普通に勉強していてもこの能力は鍛えられないから、やっぱり運動系の部活かな?
副操縦士の給料
前回のブログのコメント欄で、りなさんから頂いた質問。
「副操縦士の方のお給料って、大体どのくらいなんでしょうか?」
私も興味があったので、オスロからの帰りの便で副操縦士に聞いてみました。
オランダ人の彼はオランダにあるフライトスクールに通い、エアラインパイロットになるために必要な事業用操縦士(多発)と計器飛行証明のライセンスを取得したのですが
訓練にかかった費用は総額で
120,000ユーロ(=約1600万円)
一部銀行で教育ローンを組んで、今でもその返済をしているそうです。
ちなみに金利は4%、、、
で、フライトスクールを卒業後、いま話題のライアンエアーにB737の副操縦士として就職
休暇等で飛ばない月の給料が4000ユーロ、忙しく飛んだ月の給料が7000ユーロ
平均すると6000ユーロくらい。
ライアンエアーの場合、勤務地がオランダ国内じゃなかったので
うまい具合に税金を払わないようにオランダでの滞在日数をコントロールしていたそうです。
で、いまの会社でB787の訓練を終えて飛び始めると平均月給が9000ユーロ、、、教育ローンの返済が楽になると言っていました。
ちなみに、彼のライアンエアーの同僚が会社の乗員に対する扱いに嫌気が差し
TUIというオランダの格安航空会社に転職してB737に副操縦士として乗務しているそうなのですが
月の平均給料が4000ユーロ、そこから税金を引かれて手取り2300ユーロ、、、、
教育ローンの返済が毎月1200ユーロなので、パイロットの仕事だけじゃ食っていけないと悩んでいて、既に再転職に向けて履歴書を書いているとのことでした。
世界的にパイロット不足が叫ばれていますが、まだまだ待遇の悪い航空会社も多いようです。